チェス書を快適に読む工夫 その1 -ipadでPGNファイルを表示させる

Before


After



はじめに

残念ながら日本はチェス後進国です。
少しずつ日本語で書かれたチェス書も出版されつつありますが、まだまだ少なく、ある程度以上のレベルを目指すには洋書に手を出さざるを得ません。

これには言語の壁はもちろん、他にも様々な問題があります。
私自身、まだまだ試行錯誤の段階ではありますが、備忘録として「私なりのチェス書を快適に読む工夫」を纏めてみよう思います。


ipadを使うメリット

一手ごとに盤面が印刷されている親切な本もありますが、大抵は自分で棋譜を並べながら読み進める必要があります。

  • 小サイズのチェスセットを使う。
  • パソコンを起動してチェスソフト(Winbordなど)を使う。

こういった従来の方法から、ipadに変えるメリットを列挙すると…
・起動が早い
・目が疲れない(PCよりも)
・持ち運び可能
iphoneとの連携が便利
・他のチェスアプリとの連携
・Winbord並の操作性
・電子辞書にもなる などでしょうか。

特に、「起動が早い」「目が疲れない」は、私にとって重要な要素でした。

一方デメリットは、
・手の感触が残らない
・初期費用が掛かる などでしょうか。



そもそもPGNファイルとは

Portable Game Notation(PGN)とは、コンピュータ上でチェスの棋譜を保存するためのファイルフォーマットの一つ。拡張子は".pgn"。
ASCII文字のみによって記述されるため、多くのチェスプログラムが対応しており、事実上の標準形式となっている。座標式をそのまま書いているので、人間が直接読み書きすることも容易である。

Portable Game Notation -Wikipedia


Winbordを使ってPGNファイルを作成する

最もオーソドックスな方法です。
PGNファイルを作れるチェスソフトは幾つかありますが、今回はその中でも有名な「Winbord」を使います。


1.Winboardを起動する。
2.Mode→Edit Gameを選択する。
3.駒を動かしながら、棋譜を入力する。
4.Mode→Edit Tagsから、必要ならゲームの情報を入力する。(1.のリンク先を参照)
5.File→Save Gameを選択、【半角英数字】でファイル名をつけて保存する。



一つのPGNファイルに複数の棋譜を入れる

PGNファイルには、一つのファイルに複数のゲームを保存することができます。
大抵のテキストエディタで可能ですが、今回はWindows標準のテキスト・エディタである「メモ帳」を使います。


1.複数のPGNファイルを用意する。
2.メモ帳を起動する。
3.PGNファイルをメモ帳にドラッグしてテキストを表示させる。
4.2〜3を加えたいゲームの数だけ繰り返す。
5.画像のように、どれか一つの棋譜の下に改行を加え、表示したい順番にコピペして並べていく。
6.【半角英数字】でファイル名をつけて保存する。



WEB上のPGNファイルをダウンロードする

自作しなくても、有名な本ならWEB上に誰かが纏めてくれたものがあるかもしれません。
棋譜自体はパブリックドメインなので違法性はありませんが、書籍自体をPDF化した違法のファイルが出回っていることもあるので注意が必要です。

例えば、*1
"Simple Chess" by Michael Stean
"Logical Chess move by move" by Irving Chernev



iphone/ipadでPGNを見る

PGN再生ソフトは幾つかありますが、まずは無料の【chess-viewer】をおすすめします。シンプルですが、必要十分な機能は備えているし、なにより広告表示がないのが魅力です。(2013年1月現在)

【chess-viewer】に、入手したPGNファイルを送ります。
数が多いならUSBケーブルを繋いでifunboxを使ったほうが早いですが、少量ならDropBox経由が便利です。

ifunboxについて
DropBoxについて



以下、iphone版・ipad版のスクリーンショット

ipad









iphone









完成



*1:ウィルス対策は自己責任でお願いします。