【美の巨人たち 感想】 狩野永徳「洛中洛外図屏風」
今週の芸術家
・作者 狩野永徳(1543-1590)
・国籍 日本
・職種 画家
1543 | 狩野松栄の長男として京都で生まれる。 |
1552 | 法眼に連れられて将軍・足利義輝に拝謁した。 |
1565 | 『洛中洛外図屏風』完成 |
1567 | 近衛前久邸の障壁画 完成 |
1571 | 臼杵丹生島城の障壁画 完成 |
1574 | 『洛中洛外図屏風』が織田信長から上杉謙信に贈られる |
1576 | 弟の狩野宗秀に家屋敷を譲る |
1579 | 安土城の障壁画 完成 |
1583 | 大阪城の障壁画 完成 |
1589 | 後陽成天皇の内裏の障壁画 完成 |
1590 | 八条宮家の障壁画 完成 |
1590 | 東福寺法堂の天井画の龍図を制作中に病気になり、ほどなく死去 |
今週の作品
・作品 洛中洛外図屏風(16世紀)
・場所 米沢市上杉博物館
・縦横 六曲一双
右隻は京都の東側の景観のほか、祇園祭の行列や節会(せちえ)と呼ばれる正月の儀式など、四季折々の様々な都の行事が盛り込まれ、躍動感溢れる人々の賑わいが生き生きと描かれています。
左隻は、金閣寺や北野天満宮、渡月橋など主に京都の西側の名所や建築物が色鮮やかに描かれています。右隻と左隻で東西に分かれており、屏風を向き合うように立てると京都を一望できるのです。
【美の巨人たち 感想】 安藤緑山「竹の子と梅」
今週の作品
・作品 竹の子と梅(昭和初期)
・場所 ボルゲーゼ美術館
・縦横 実物大
・材質 象牙
根元から生えた根の生き生きとした艶や、ピンク色の新しい根には生命力さえ感じさせます。隙間まで再現した極めて薄い皮の作りは圧巻です。傍らには青梅が添えられており、その薄い葉の精妙な細工や、枝一本の質感の作り込み、丸々とした果実の肌触りと色合い・・・。
雑記
牙彫
象牙を用いた彫刻。江戸末期,根付(ねつけ)に施すのが流行し,明治前半の彫刻界で盛行した。細密な彫刻が可能なため小品が多く,その精密な技巧は海外にも有名になったが,細技を弄(ろう)するあまり卑俗な感じとなり,次第にすたれた。
ワシントン条約
「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」の通称。1973年にワシントンで採択され、付属書で規制対象の種を詳細に指定。
【チェス学習計画】STEP5 中級レベルを維持しよう。
対象読者
・STEP4のクリア条件を満たしている。
はじめに
どんなにチェスが好きでも、家庭ある社会人がGMを目指すのは難しいでしょう。かといって、このレベルまで学習をしながら「飽きたからもう指さない」では勿体無い。
趣味として付き合っていく以上、ある程度の線引きが必要です。
そこで、STEP5では、私なりに考え実行している「少ない労力で中級レベルを維持する方法」を纏めましたので、参考までに御覧ください。
1.マイナーな定跡を選ぶ。
オープニングは勉強量がモノを言うフェーズです。
「確かな棋力があれば定跡を知らなくても正着を指せる」というのは正論ですが、長考の末に指した手をノータイムで返され続けるのは惨めなものです。
ただ定跡の勉強は大変なうえ時間が掛かる。メジャーな定跡は研究が進んでいるだけに一層たいへんです。そんなこんなで、私は[1.e4]や[1.d4]から逃げ、[1.g3]を指しています。しかし、メジャーな定跡は有力だからこそメジャーなわけで、マイナーな定跡にはメリットもありますが当然デメリットもあります。
主なデメリットは「学習教材が少ないこと」、「完璧に対応されると白が若干悪くなること」、対してメリットは「覚えるラインが少ないこと」、「定跡勝ちの機会が増えること」でしょうか。なにより自分の土俵で戦えるのは、精神的に嬉しいものです。
メジャーな定跡をコツコツ研究していくのが王道だとは思いますが、「中級レベルを維持」するという観点からは、一考の価値があるのではないでしょうか。
2.トランスポーズを研究する。
私は以前、[1.e4]対しては[ピルツ]、[1.d4]に対しては[キングズ・インディアン ]を指していました。両者には、共通点が多く、手順が前後することでトランスポーズすることが少なくなかったからです。陣を低く構えることで数手は、相手の手を気にせず指せるのもポイントでした。
今では、[1.e4]に対して、モダンな[1...g6]を気に入っていて指しているのですが、手順しだいでは、[ピルツ]や[KID]からの局面にトランスポーズすることがあります。
特に黒盤では、トランスポーズを意識することで、覚えるラインを減らすことができます。少々形勢が悪かろうとも、覚えるラインが少ないというのは魅力的ではないでしょうか。
3.スキマ時間にタクティクス解く
タクティクスは、短時間でも成果が得られるコストパフォーマンスのよい学習です。5分間のスキマ時間にオープニングやエンドゲームの勉強をしたところで、たいした成果はあがりませんが、タクティクスなら1問は解くことができるでしょう。
これまでに得た知識を錆びつかせない程度の学習は必要ですが、纏まった時間が取れないのなら新しい学習に手をだすのは危険です。
「中級レベルを維持」するのが目標ならば、チェス学習は「これまでに得た知識の確認」と「スキマ時間にタクティクスを解くこと」ぐらい緩く構えるほうが、長くチェスと付き合えるのではと、私は思います。
4.チェス文化を学ぶ。
長くチェスと付き合うのなら、棋力だけでなくチェスという文化に対する理解も大切だと、私は考えています。なぜなら、チェスが強いだけでは「チェスを知らない人にチェスの話しができない」からです。
例えば、「チェスの歴史」や「チェスが出てくる作品」、「チェスが盛んな国について」、「チェスと将棋の関係」、あるいは「コンピュータチェスについて」などなど、チェスを知らない人にも魅力的な話題はたくさんあると思います。
チェスを軸にして自身の見聞を広める良い機会にもなりますし、意識してアンテナを広げてみてはいかがでしょうか?
【美の巨人たち 感想】 ラファエロ「大公の聖母」
今週の芸術家
・作者 ラファエロ・サンツォ(1483-1520)
・国籍 イタリア
・職種 画家・建築家
1483 | イタリアのウルビーノに生まれる |
1491 | 母マージア死去 |
1494 | 父ジョヴァンニ死去、父方の伯父に引き取られる |
1498 | ペルジーノの工房に入門する |
1501 | サン・タゴスティーノ教会祭壇画を制作 |
1504 | フィレンチェに移住 |
1508 | バチカン宮殿の専属画家となる |
1514 | サン・ピエトロ大聖堂の主任建築家に任命される |
1517 | ローマ古物監督責任者に推薦される |
1520 | 高熱により37歳という若さで死亡。 |
今週の作品
・作品 大公の聖母(1505-1506)
・場所 国立西洋美術館 ラファエロ展
・材質 油絵
幼子イエスの手は、母の胸と肩に置かれ、聖母マリアはその温もりを感じているかのような優しい母の顔をしています。聖母子の姿と、家庭的な情愛に満ちた母と子の姿、ラファエロは見事にこの二つを両立させています。まさに、人間再生ルネサンスの申し子ラファエロの代表作と言えるでしょう。
【美の巨人たち 感想】 ギベルティ「天国の門」
今週の芸術家
・作者 ロレンツォ・ギベルティ(1381-1455)
・国籍 イタリア
・職種 彫刻家・金細工師
1378 | フィレンツェの金細工師の家に生まれる。 |
1402 | 『イサクの犠牲』 |
1403 | サン・ジョヴァンニ洗礼堂の扉の制作者に選ばれる。 |
1409 | 金細工師組合に登録 |
1414 | 大商人組合から洗礼者ヨハネの像作製の依頼。 |
1416 | 『洗礼者ヨハネ』 |
1422 | 『聖マタイ』 |
1424 | 『キリストの生涯』 |
1427 | 『ドミニコ会管長リオナルド・ダーティの墓碑』 |
1429 | 『聖ステファノ』 |
1440 | 『聖ザノービの墓碑』 |
1455 | 死去 |
今週の作品
・作品 天国の門(1451)
・場所 ドゥオーモ付属博物館
・縦横 高さ約5メートル、縦横80センチ
・材質 金箔を施したブロンズパネル
このパネルには、最初は「アダムとイブの物語」、次に「カインとアベルの物語」、続いて「ノアの物語」、そして「アブラハムの物語」・・・と、旧約聖書の創世記の物語が紙芝居のように表現されています。しかもそれぞれ彫りの厚さを変え、見事な遠近法で物語を展開させているのです。人物の優美な体の表現も、流れるような衣のドレープも、鋳造ブロンズとは思えないほど柔らかです。
【チェス学習計画について/目次】
【チェス学習計画】について
【チェス学習計画 STEP1〜STEP5 】は、「チェスのルールを覚えたばかりの人」を対象に、中級者(R1400〜R1500)に至るまで学習の方法を提案したものです。
基本的に効率よりも、「取り組みやすさ」や「成長を実感できること」に重点を置いています。また、初期の段階では、できるだけお金が掛からないように「WEBサイト」や「個人ブログの記事」、「図書館にある本」などを優先して取り上げました。
本プランは、あくまで「数ある学習プランのうちの一つ」ですので、ある程度は柔軟に、参考までに御覧いただければ、と思います。疑問質問があれば、「twitterのアカウント」か「メールアドレス」までご連絡下さい。
・メールアドレス( gypsophila315●gmail.com )
・twitterアカウント ( @GypsBs )
【チェス学習計画】目次
STEP1 チェスを指せる人になろう!
1.[MATE IN 1]で駒の動かし方を完璧にしましょう。
2.「裸のキング」の詰め方をマスターしましょう。
3.駒の価値を覚えましょう。
4.[chess.com]に登録しましょう。
5.さっそく指してみましょう。
STEP2 脱・初心者を目指そう!
1.入門書を読み込みましょう。
2.初手を定めましょう。
3.ただし、定跡の勉強はまだ控えましょう。
4.『どうしたらチェスできみのパパに勝てるか』をやり込みましょう。
5.『チェス 魔法の戦術』をやり込みましょう。
STEP3 初級の壁を乗り越えよう!
1.盤外の技術も意識しましょう。
2.2手〜3手のタクティクスを瞬間的に解けるようにしましょう。
3.色々な定跡を試しましょう。
4.基本的なストラテジーを学びましょう。
5.ブリッツ(5分)を指しましょう。
STEP4 目指せ中級者!
1.3手以上のタクティクスに挑戦しましょう。
2.定跡を研究しましょう。
3.ストラテジーを学びましょう。
4.エンドゲームを学びましょう。
5.チェスニュースをチェックする。
STEP5 中級レベルを維持しよう。
0.はじめに
1.マイナーな定跡を選ぶ。
2.トランスポーズを研究する。
3.スキマ時間にタクティクスを。
4.チェス文化を学ぶ。
【美の巨人たち 感想】 牧野邦夫「未完成の塔」
今週の芸術家
・作者 牧野邦夫(1925-1986)
・国籍 日本
・職種 画家
1925 | 東京の渋谷区幡ヶ谷に誕生 |
1943 | 東京美術学校油画科入学 伊原宇三郎、安井曾太郎に師事 |
1945 | 学徒出陣し九州宮崎で終戦。 |
1948 | 東京美術学校油画科を卒業 |
1962 | 安井賞候補新人展に入選。 |
1965 | 再び安井賞候補新人展に入選。 |
1966 | ヨーロッパに渡り、オランダに滞在した。 |
1983 | アトリエを京都に移す |
1985 | アトリエを東京の井の頭に移す |
1986 | 死去 |
今週の作品
・作品 未完成の塔(1975〜)
・場所 練馬区立美術館 特別展 牧野邦夫-写実の精髄-展
・縦横 100cm×80cm
・材質 油絵
塔の一層目は見事な細密描写で描き込まれているのとは対照的に、二層目は薄く下絵のように霞み、さらに上に向かうと霧に包まれたよう。塔の最上部はキャンバスからはみ出してしまっているという、何とも不思議な絵です。