【チェス学習計画】STEP5 中級レベルを維持しよう。

対象読者
・STEP4のクリア条件を満たしている。

はじめに

どんなにチェスが好きでも、家庭ある社会人がGMを目指すのは難しいでしょう。かといって、このレベルまで学習をしながら「飽きたからもう指さない」では勿体無い。

趣味として付き合っていく以上、ある程度の線引きが必要です。

そこで、STEP5では、私なりに考え実行している「少ない労力で中級レベルを維持する方法」を纏めましたので、参考までに御覧ください。


1.マイナーな定跡を選ぶ。

オープニングは勉強量がモノを言うフェーズです。
「確かな棋力があれば定跡を知らなくても正着を指せる」というのは正論ですが、長考の末に指した手をノータイムで返され続けるのは惨めなものです。

ただ定跡の勉強は大変なうえ時間が掛かる。メジャーな定跡は研究が進んでいるだけに一層たいへんです。そんなこんなで、私は[1.e4]や[1.d4]から逃げ、[1.g3]を指しています。しかし、メジャーな定跡は有力だからこそメジャーなわけで、マイナーな定跡にはメリットもありますが当然デメリットもあります。

主なデメリットは「学習教材が少ないこと」、「完璧に対応されると白が若干悪くなること」、対してメリットは「覚えるラインが少ないこと」、「定跡勝ちの機会が増えること」でしょうか。なにより自分の土俵で戦えるのは、精神的に嬉しいものです。

メジャーな定跡をコツコツ研究していくのが王道だとは思いますが、「中級レベルを維持」するという観点からは、一考の価値があるのではないでしょうか。


2.トランスポーズを研究する。

私は以前、[1.e4]対しては[ピルツ]、[1.d4]に対しては[キングズ・インディアン ]を指していました。両者には、共通点が多く、手順が前後することでトランスポーズすることが少なくなかったからです。陣を低く構えることで数手は、相手の手を気にせず指せるのもポイントでした。

今では、[1.e4]に対して、モダンな[1...g6]を気に入っていて指しているのですが、手順しだいでは、[ピルツ]や[KID]からの局面にトランスポーズすることがあります。

特に黒盤では、トランスポーズを意識することで、覚えるラインを減らすことができます。少々形勢が悪かろうとも、覚えるラインが少ないというのは魅力的ではないでしょうか。


3.スキマ時間にタクティクス解く

タクティクスは、短時間でも成果が得られるコストパフォーマンスのよい学習です。5分間のスキマ時間にオープニングやエンドゲームの勉強をしたところで、たいした成果はあがりませんが、タクティクスなら1問は解くことができるでしょう。

これまでに得た知識を錆びつかせない程度の学習は必要ですが、纏まった時間が取れないのなら新しい学習に手をだすのは危険です。

「中級レベルを維持」するのが目標ならば、チェス学習は「これまでに得た知識の確認」と「スキマ時間にタクティクスを解くこと」ぐらい緩く構えるほうが、長くチェスと付き合えるのではと、私は思います。


4.チェス文化を学ぶ。

長くチェスと付き合うのなら、棋力だけでなくチェスという文化に対する理解も大切だと、私は考えています。なぜなら、チェスが強いだけでは「チェスを知らない人にチェスの話しができない」からです。

例えば、「チェスの歴史」や「チェスが出てくる作品」、「チェスが盛んな国について」、「チェスと将棋の関係」、あるいは「コンピュータチェスについて」などなど、チェスを知らない人にも魅力的な話題はたくさんあると思います。

チェスを軸にして自身の見聞を広める良い機会にもなりますし、意識してアンテナを広げてみてはいかがでしょうか?