【美の巨人たち 感想】 ギベルティ「天国の門」


2013年5月4日 放送



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今週の芸術家


・作者 ロレンツォ・ギベルティ(1381-1455)
・国籍 イタリア
・職種 彫刻家・金細工師


1378 フィレンツェの金細工師の家に生まれる。
1402 『イサクの犠牲』
1403 サン・ジョヴァンニ洗礼堂の扉の制作者に選ばれる。
1409 金細工師組合に登録
1414 大商人組合から洗礼者ヨハネの像作製の依頼。
1416 『洗礼者ヨハネ
1422 『聖マタイ』
1424 『キリストの生涯』
1427 ドミニコ会管長リオナルド・ダーティの墓碑』
1429 『聖ステファノ』
1440 『聖ザノービの墓碑』
1455 死去


今週の作品


・作品 天国の門(1451)
・場所 ドゥオーモ付属博物館
・縦横 高さ約5メートル、縦横80センチ
・材質 金箔を施したブロンズパネル


このパネルには、最初は「アダムとイブの物語」、次に「カインとアベルの物語」、続いて「ノアの物語」、そして「アブラハムの物語」・・・と、旧約聖書の創世記の物語が紙芝居のように表現されています。しかもそれぞれ彫りの厚さを変え、見事な遠近法で物語を展開させているのです。人物の優美な体の表現も、流れるような衣のドレープも、鋳造ブロンズとは思えないほど柔らかです。

雑記

13世紀末葉から15世紀末葉へかけてイタリアに起り、次いで全ヨーロッパに波及した芸術上および思想上の革新運動。現世の肯定、個性の重視、感性の解放を主眼とするとともに、ギリシア・ローマの古典の復興を契機として、単に文学・美術に限らず広く文化の諸領域に清新な気運をひきおこし(人文主義)、神中心の中世文化から人間中心の近代文化への転換の端緒をなした