新約聖書について
読む前に押さえておきたいポイント
- 【 『ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の関係』について 】
- 【 『創世記』について 】
- 【 『旧約聖書』について 】
おおまかな内容
非信徒でも、旧約聖書は「イスラエル建国史」として読むことができます。しかし新約聖書は、歴史書よりも宗教書としての色合いが非常に強く、しかも内容の多くは奇跡やたとえ話を用いた説教です。これは、論理的に教義・戒律を記す『コーラン』などと比べ、非信徒にとっては少々やっかいな装飾です。
そこで以下を目次に見立て、できる限り宗教的な特性を踏まえつつ、物語的に新約聖書の"あらすじ"を拾い出します。
1.イエスの誕生
2.ヨハネの洗礼
3.イエスの運動
4.ユダヤ教徒との対立
5.死刑
6.復活
7.キリスト教の誕生
ヨハネの洗礼
・ヨルダン川のほとりにヨハネという聖者がおり、民衆はメシアだと信じていた。
・ヨハネは自身は先駆けにすぎず、他に相応しいものが現れると説教していた。
・ヨハネがイエスを洗礼する。
・洗礼後、荒野で修行などを行い、悪魔に打ち勝ち、神の啓示を受ける。
宣教活動
・ガラリア湖付近で宣教活動をし、弟子ができる。
・病気を治したり、死者を蘇らせるなど、多くの奇跡を起こす
・病人や罪人にも救いの手を差し伸べる
・ユダヤ教の律法学者や指導者たちは、ユダヤ的でない「イエスの思想」に危機感を募らせる。
・また、保守的なユダヤ人が求めている英雄的救世主像との乖離が目立ちはじめる。
ユダヤ教徒との対立
・死を覚悟のうえで、ガリラヤを離れエルサレムへ向かう。
・理由は、過ぎ越しの祭*1のためであり、このときユダが裏切ることを予言する
・翌日、ユダが銀30枚でユダヤ教の祭司らに引き渡す手引きをする。
・ペテロの「3度の知らない」もこのとき。
その後
結果キリスト教は、世界人口の30%を超えるまでに広がります。
しかし、その過程の物語である「教会と国家の権力をめぐる争奪」や「キリスト教内部での争い」などは、複雑で錯綜したものです。
その内容はこちらをご覧ください。
- 【 『キリスト教の宗派』について 】