遠山啓『数学入門(上・下)』
2011/9/29 読了 ★
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目次
<上巻>
数の幼年期
分離量と連続量
数の反意語
代数 - ずるい算数
図形の科学
円の世界
複素数 - 最後の楽章<下巻>
数の魔術と科学
変化の言語 - 関数
無限の算術 - 極限
伸縮と回転
分析の方法 - 微分
総合の方法 - 積分
微視の世界 - 微分方程式
雑感
本書を読みながら何度唸ったことだろう。
あまりに面白かったので、ここ一週間を高校数学の再学習に費やしてしまった。
中学生・高校生が数学を嫌いになるか好きになるかは、教師ないし周囲の影響が本当に大きい。なぜ時計や角度は60進法なのか。なぜ分数の割り算を掛け算にするのか。なぜ 0÷0が許されないのか、かと思えばlimを外すタイミングが気に食わないし…
疑問が解決されなければ(本質を理解できなければ)、覚えた公式を使って解くパズルでしかない。
本書は、まさに"先生"である。例え話が上手く、"歴史的な背景"や"何に役立つのか"。数学だけでなく幅広く深い知恵を備えている、(随分お歳を召した)先生。
確かに半世紀も前の本なので、文章や言い回しにとっつきにくい部分もある。なにしろ、電話帳が「いろはにほへと」から「あいうえお」に切りかえられたのが"近頃のこと"らしい。
けれど、こんなことが本当に読むべき中高生たちの敬遠の理由になっているとしたら、実に勿体無い。
頭ひとつ抜けている、文句なしの名著。