サン=テグジュペリ『星の王子さま』

2011/9/20 読了

星の王子さま―オリジナル版星の王子さま―オリジナル版
サン=テグジュペリ
内藤 濯・訳


ハードカバー: 133ページ
出版社: 岩波書店
発売日: 2000/3/10

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雑感

星の王子さま』という"著名な児童書"の存在は知っているが、聞こえてくる評判は碌なものではない。絶賛している層がまた酷い。

"本を呼んでいる自分に酔っている自称文学好き"や"絵本を選ぶセンスを競い合っている母親たち"が、薄っぺらい本からお気に入りのフレーズを言い争って陶酔したいだけではないか。

これは同著者の『戦う操縦士』を読む前の私の印象です。
似たような考えから食わず嫌いを続けている人は、『戦う操縦士』や『夜間飛行』から、あるいは「サン=テグジュペリ」の伝記や出版当時の情勢を知ることで、その悪い印象は一変するかもしれません。

年表

1900 アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ フランス/リヨンで生まれる。
1921 兵役に召集され、民間操縦士、次いで空軍操縦士の資格を取る。
1926 処女作『飛行機』が雑誌に掲載される。航空会社に操縦士として採用される。
1929 『南方郵便機』出版。
1931 コンスエロ・スンシンと結婚。『夜間飛行』出版、フェミナ賞受賞。
1939 『人間の土地』出版。 第2次世界大戦/召集。
1940 ドイツの電撃戦始まり、フランス軍大敗走。 アメリカへ向かう。
1941 アメリカ参戦
1942 『戦う操縦士』出版。『星の王子さま』に着手。
1943 2月『ある人質への手紙』・4月『星の王子さま』出版。隊に復帰、少佐に昇進。
1944 コルシカ島から偵察飛行に飛び立ち、行方不明となる。


どうでしょう?
"薄っぺらい子ども向けのファンタジー"とは、私にはとても思えません。