【読了】『シュリーマン自伝 ―古代への情熱』
2011/4/22 読了
古代への情熱―シュリーマン自伝 (岩波文庫) ・ハインリッヒ・シュリーマン(著)(1822-1890) ・村田数之亮(訳)(1900-1999) ・岩波文庫 ・1954/11/25(第一刷発行) ・201頁 Amazonで詳しく見る |
目次
第一章 少年時代と商人時代(1822-66)
第二章 最初のイタカ、ペロポネソス、トロヤ旅行(1868-69)
第三章 トロヤ(1871-73)
第四章 ミケネ(1874-78)
第五章 トロヤ、第二回と第三回発掘(1878-83)
第六章 ティリンス(1884-85)
第七章 晩年(1885-90)
第八章 シュリーマン略年譜
雑感
トロヤ戦争の物語を絵本で読んだ少年シュリーマン(1822‐90)は、美しい古都が必ず地下に埋もれていると信じその発掘を志す。長年にわたる猛烈な勉学と経済的苦闘をへて、ついに独力でトロヤの遺跡を発見、少年の日の夢を実現する。いかなる環境にあっても自己の目標と希望を見失わず努力しつづけた意志と情熱の生涯が小説以上の面白さで語られる。
初版1891年、トロイア(イリオス)が実在することを発掘によって証明したドイツの考古学者ハインリッヒ・シュリーマンの自叙伝。前提として、シュリーマン自身が書いた第一章「少年時代と商人時代(1822-66)」だけが厳密な意味での自叙伝、第二章以下は彼の死後に妻ソフィアの委託によって第三者であるブリュックナーがシュリーマン諸著書から引用して、彼の学問的業績とともにしめしたもの。
原書を翻訳と照らし合わせて丸暗記するという語学学習方法には驚いたが、二度繰り返しただけで全ての単語を覚えられる彼ならではの学習法なのかもしれない。
構成上、夫人のまえがきを先に読むことになるので、ミナ・マインケとの恋の結末が予想できてしまう。