【雑感】『幻の時刻表』

2011/4/17 読了

幻の時刻表 (光文社新書)幻の時刻表 (光文社新書)

・曽田英夫(著)(1948-)
光文社新書
・2005/1/20(第一刷発行)
・280頁

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目次

 第1章 幻の「東京発パリ行き」時刻表
 第2章 本線―支線「逆転」物語
 第3章 消えた盲腸線をたどる
 第4章 「国鉄」になった私鉄たち
 第5章 日本の旧領土などを走っていた路線

雑感

戦前の時刻表に当たっていると、現在とは違う鉄道の姿をそこに見出して驚かされることが多い。戦後生まれの著者は、これらの路線が現役で活躍していたころのことを知らない。時刻表を眺めたり、資料に当たったりしながら、当時の姿を思い浮かべるばかりである。本書は、そんな戦前の時刻表の頁をめくりながら、今では「幻」と化した路線の面影をたどる試みだ……

目次で「東京発パリ行き」とあって現代の私には見当もつかなかったが、
当時の日本人にとっては不自然な発想ではなかった。
電車が好きな人は、やはり外見や音を楽しんでいるのだろうと思っていたが、
幻の時刻表でみる歴史は、なるほど面白い。

ちょこちょこ入る「一周34.5キロの山手線」類の表現は本書ならでは、
普段は読まないジャンルこそ、意識して選びたい。