【美の巨人たち 感想】 フレデリック・バルトルディ 「自由の女神(Liberty Enlightening the World / 世界を照らす自由)」
今週の芸術家
・作者 フレデリック・バルトルディ(1834-1904)
・国籍 フランス
・職種 彫刻家・建築家
1834 | アルザス地方のコルマールに生まれる。 |
1869 | 『スエズ運河灯台計画』*1 |
1871 | 視察のため渡米 |
1872 | 『ラファイエット伯爵の像』 |
1885 | 『ラップ将軍の像』 |
1886 | 『自由の女神像』完成 |
1904 | 死去 |
今週の作品
・作品 自由の女神(1886)
・場所 ニューヨーク港内 リバティ島
・縦横 約33.86メートル
・材質 銅
その全身は風雪に耐えた美しい青銅色に覆われています。頭にはティアラ。そこから放たれている7つの光は、地球上の7つの海と7つの大陸を表現しているといいます。左手で抱えているのはアメリカの独立記念日が刻まれた独立宣言書。右手には24金の箔が貼られたトーチを掲げています……ローマ風の衣服には繊細で優美なヒダが施され、見事な造形美を誇っています。
雑感
19世紀後半、ヨーロッパ各地で公共建築物が爆発的に制作されました。イタリアやドイツでは、民族統一を記念する彫刻が作られ、フランスでは自由と共和国をたたえる記念碑が多く作られていました。
しかし、その期間はあまりに短く、芸術家たちは公共物を作るのをやめ、個人的な表現に向かっていきました。2度の大戦の後、やはり同じようなブームが訪れましたが、これも一過性のものだったようです。
今後、新しい"自由の女神像"が作られることはあるのでしょうか。