集中力を高める方法
はじめに
集中力とは?
ある一つの事柄に強く注意を向ける状態、及びその状態を深く長く持続させる能力のこと。
ここでいうところの事柄とは、勉強・仕事・スポーツ…諸々が当てはまります。
そして、この"事柄"は大きく2種類に分けることができます。
- 創造的作業
- 単純作業(ルーチンワーク)
「集中力を高める方法」を実行する際に、自分が取り組む事柄の性質を把握することが大切です。「集中力を高める方法」は、沢山ありますが、適切に使わなければ逆効果になってしまうこともあるからです。
いくつか例を挙げます。
創造的作業 | 単純作業 |
新しい企画を考える | 報告書などの書類を作成する |
今日の献立を考える | 自宅の掃除をする |
恋人とのデートプランを考える | 日課の筋肉トレーニングをする |
絵を描く | 写真をトレースする |
例えば、報告書を書き慣れている人にとっては単純作業でも、はじめて報告書を作成する人にとっては創造的な作業でしょう。献立を考えることなど、大変に創造的な作業だと思いますが、曜日によって献立が決まっている家庭もあります。同じ事柄でも人によって違うことがあるのです。
集中力を高める方法
共通
- 心身を健康に保つ(→具体的には 1)
- 脳を活動させる準備体操として、手・足・口を動かす。(→具体的には 2)
- 状況の整理して、取り組むテーマを一つに絞る。
- 自分の集中限界時間を把握し、時間の制約を設ける。
- 自分に暗示をかける。(→具体的には 3)
単純作業
- 嫌でも気合で取り掛かり、根性で終わらせる。(→具体的には 4)
- 処罰と報酬でモチベーションを上げる。(→具体的には 5)
- ライバル・目標を定めて競争する。
- 簡単なところから終わらせる。
- 目標を見えるところに貼る。
創造的作業
- 煮詰まったら気分転換をする。(→具体的には 6)
- テーマに興味を持つ。(→具体的には 7)
- 5感を活用して情報を得る。
- 色々な方法・道具を使う。
- 広い交友関係を持ち、
具体的には…
1.心身を健康に保つ
集中が続かない原因の8割がこれです。寝不足、口内炎が出来た、上司に嫌味を言われた、恋人と喧嘩をした… 最低でも以下のことを守るように心がけましょう。
・課題に取り組む前に心配事を片つける。
・毎日同じ時間に起き、生活のリズムを安定させる。
・睡眠時間を6〜7.5時間は確保する。
・食事は腹八分目までを心がける。
・毎日適度な運動をする。
2.脳のウォーミングアップとして、手・足・口を動かす。
朝起きて脳が働きだしても、本来の力が出せるようになるまでに少々時間が必要なのです。脳の活性を手助けする、具体的な方法として、[軽い運動]や[会話]・[10分程度の音読]などが有効です。
3.自分に暗示をかける。
掌に人という字を書いて飲み込むと緊張がほぐれる…という有名な暗示がありますが、こういった自己暗示は非常に有効な方法です。今回の場合だと[◯◯という条件を満たした]とき[私は物凄く集中できる。]という暗示がよいと思います。条件は日常さりげなくできる行為なら何でも構いません。例えば[ゆっくりまばたきを3回すると]とか[鼻を5秒間つまむと]など。
4.嫌でも気合で取り掛かり、根性で終わらせる。
単純作業をやる気が起こらない時は、[できるけど、やりたくない]時です。[やればできるんだから、やるしかない]のです。
5.処罰と報酬
[◯◯までに◯◯を終わらせられたら"自分へのごほうび"を与え、終わらせられなかったら"自分への罰"を与える。]"ごほうび"だけでなく"罰"も用意するのがポイント。ちなみに、創造的作業時にこのテクニックを使うと逆効果なので要注意。
6.煮詰まったら気分転換をする。
創造的作業が煮詰まっているときは、単純作業の時とは反対で[やりたくても、できない]状況です。煮詰まったと思ったら気分転換をして、違うアプローチを試みるべきです。
7.テーマに興味を持つ。
経験のある方も多いでしょうが、自分の好きな事に対しては、簡単に抜群の集中力を発揮することができます。好奇心や欲求という感情が、TRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)の発生を促すからです。これは一種の能力かもしれませんが、[どんなテーマにでも興味を持つ]ことが大切です。
システム化(マニュアル化)
上記のように、創造的作業も慣れて自分なりの方法が確立されると単純作業になります。これを意図的に行うことをシステム化といいます。単純作業のほうが創造的作業よりも簡単で、短時間で終わるので、システム化は非常に有用です。
掃除をするときに、毎回どうやって掃除しようか考えるよりも、掃除する部屋の順番や掃除する時間、モノの置き場所などが定まっているほうが、スムーズに進むでしょう。