【美の巨人たち 感想】 カラヴァッジョ 「エマオの晩餐」
今週の芸術家
・作者 ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ
・国籍 イタリア
・職種 画家
1571 | 1歳 | ミラノで三人兄弟の長男として生まれた。 |
1576 | 6歳 | ペスト流行のため、一家でカラヴァッジョ村へと移住。 |
1577 | 7歳 | 父が死去する。 |
1584 | 14歳 | 母が死去。ミラノの画家シモーネ・ペテルツァーノに師事。 |
1588 | 16歳 | 徒弟の年季が終了するも、ミラノ近辺に在住していた。 |
1592 | 20歳 | 役人を負傷させて、無一文でローマへ逃げ込んだ。 |
1593 | 21歳 | ジュゼッペ・チェーザリの工房で助手を務める、一年で解雇。 |
1594 | 22歳 | 独立。『女占い師』、当時ローマでは革新的なテーマだった。 |
1599 | 27歳 | 枢機卿デルの推薦で、教会の室内装飾の依頼を受ける。 |
1600 | 28歳 | 『聖マテオの召命』『聖マテオの殉教』完成、大評判を得る。 |
1601 | 29歳 | 大量の絵画制作依頼。この時代の一枚が『エマオの晩餐』。 |
1605 | 33歳 | ラヌッチオ・トマゾーニという若者を殺害してしまう。 |
1606 | 34歳 | ローマの司法権が及ばないナポリへ逃れる。 |
1608 | 36歳 | 画家として成功を修めるも、また問題を起こしシチリアへ。 |
1610 | 38歳 | 死去。 |
今週の作品
・作品 エマオの晩餐(1601)
・場所 ロンドン ナショナル・ギャラリー
・縦横 141cm×196cm
・備考
描かれているのは、エマオという土地の宿屋で起きた奇跡の場面です。
登場人物は4人、中央には磔にされた後、復活したイエスキリスト。
その左隣に宿屋の主人、残りの二人はキリストの弟子たちです。
暗がりに浮かび上がるキリスト、その赤と白の鮮烈。
弟子たちは、手を広げ身を乗り出して驚いています。
目の前の男が、復活したキリストだと、この時はじめて気づいたからです。
雑感
今週のショートストーリーは、イタリアの撮影監督ジュセッペ・ピノーリさんが『エマオの晩餐』を実写で再現するというものでした。再現の仮定を見ながら、カラヴァッジョもこんなふうに構想を練っていたのかなぁと、とても興味深く見せてもらいました。
ところで、カラヴァッジョは、画家としては一流だったけれど、とても豪放な人物だったようです。チェスプレイヤーでいうところの、ボビー・フィッシャーのような感じでしょうか。
しかし、特に芸術は、作者の感性あってのモノですから、毒のないカラヴァッジョがいたとしても、こんなに魅力的な作品は描けなかっただろうと思うのです。もちろん、殺人を容認するわけではありませんが…