ピラミッドの原則/バーバラ・ミント『考える技術・書く技術』


バーバラ・ミント
ハーバード・ビジネススクール卒業後、マッキンゼー社に初の女性コンサルタントとして入社。文書作成に関する能力が認められ、ヨーロッパスタッフのレポート作成指導責任者となった。1973年に独立し、ピラミッド原則を用いたレポート作成、分析、プレゼンテーションなどの方法を教えている。


序文

1部(書く技術) ピラミッド・プリンシパルの構成上の基礎を学ぶ。
2部(考える技術) 自分の考えの構成を批判的に眺める技術を学ぶ。
3部(問題解決の技術) 複雑な事象を分析し問題解決の考え方を学ぶ。
4部(表現の技術) メモや報告書を作成する際の表現技術を学ぶ。

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なぜピラミッド構造なのか?
  • ピラミッドの鉄則

・どのレベルであれ、あるメッセージはその下位グループ群のメッセージを要約したものでなければならない
・各グループ内のメッセージは同じ種類のものでなければならない
・各グループ内のメッセージは論理的な順序で配置されなければならない

ピラミッドの内部構造はどうなっているのか?
  • ピラミッド内部の関係性

・メッセージは縦方向に関連性を持つ(Q&A形式)
・メッセージは横方向に関連性を持つ(演繹法帰納法
・頂上ポイントは読み手の疑問に答える
・導入部は読み手に疑問を思い出させる

ピラミッド構造はどうやって作るのか?
  • ピラミッドを作る

・主題(テーマ)を明らかにせよ
・「疑問」が何かを決めよ
・「答え」を書いてみよ
・「状況」と「複雑化」によってその「疑問」が導かれるかどうかをチェックせよ
・「答え」が妥当かどうかチェックせよ
・キーラインを埋める作業に取りかかれ

導入部はどう構成すればよいか?
  • 導入部を書く

・「状況」を述べよ
・その状況で、「複雑化」が発生し、
・その複雑化が、「疑問」を引き起こし、
・その疑問に対し、あなたのが文書が「答え」を出す

演繹法帰納法はどう違うのか?
  • 論理的に理由づける

演繹法は一本の理由づけラインで展開する
帰納法は類似の考えや関連する行動をグループ化する
・キーラインレベルでは、帰納法の方が演繹法よりも望ましい

ロジックの順序に従う
  • 論理的順序の種類

・時間の順序(自分の考えを述べる時、プロセス・フローとして図示するならば)
・構造の順序(自分考えを述べる時、構造にコメントするならば)
・重要度の順序(自分の考えを述べる時、分類を行なうならば)

  • 行動の考えを配置する

・各ポイントは最終結果物をイメージできる表現とせよ
・同一結果を導くアクション群をひとつのグループとせよ
・グループ化の根拠になるプロセスや構造を明らかにし、その順序に従い配置せよ
・見落としたアクション・ステップがないかどうかをチェックせよ

  • 状況の考えを配置する

・同じ種類で表現される考えをひとつのグループとせよ
・グループ化の根拠となる構造や分類を明らかにせよ
・各ポイントを主語・述語を備えた文章形式に書き直した後、配置の順序を決めよ
・見落としたポイントがないかどうかをチェックせよ

  • グループの考えを要約する

・行動の考えを要約する場合、それらアクション群を実行することにより直接得られる結果を述べよ
・状況の考えを要約する場合、それらポイント群の類似性の意味を述べよ

グループ内の考えを要約する
  • 考えの類似性を発見する

・各考えがすべて同じテーマについて述べている
・各考えがすべて同じアクションを必要とする
・各考えがすべて同じ対象に対するアクションについて述べている
・各考えがすべて同じ洞察結果を意味している

  • 行動の考えをリストする

・各ポイントを裸にし、類似のキーワードでグループ化せよ
・各グループのレベル(階層)の違いを明らかにせよ
・各ポイントは最終結果物をイメージできる表現とせよ
・アクション群の実行から得られる結果を述べよ

  • 状況の考えをリストする

・テーマ(主語)、具体的状況(述語)、目的(目的語)、意味するものなどの類似点を発見せよ
・各ポイントをできるだけ狭くグループ化せよ
・そのグループ化が何を意味するのか(推論)を述べよ

問題を定義する
  • 問題を定義する

・問題が発生した分野を目で見えるように図式化せよ
・今までの安定を覆すような出来事を述べよ
・望ましくない結果(R1)を明らかにせよ
・望ましい結果(R2)を具体的に述べよ
・その問題を解決するために、今まで何らかのアクションが取られたかどうかを明らかにせよ
・分析の目的、すなわち分析により答えるべき疑問を明らかにせよ

問題分析を構造化する
  • 分析を構造化する

・問題を定義せよ
・診断フレームワークを用い、問題分野の詳細構造を明らかにせよ
・問題の原因を仮説的に設定せよ
・設定した仮説の妥当性を証明(または否定)するデータを収集せよ


目次

第2部 考える技術
ロジックの順序に従う
グループ内の考えを要約する

第3部 問題解決の技術
問題を定義する
問題分析を構造化する

第4部 表現の技術
文書構成にピラミッドを反映させる
文章表現にピラミッドを反映させる

追補A 構造なき状況下での問題解決
追補B 本書で述べた重要ポイントの一覧