なぜ国語を学ぶのか / 村上慎一『なぜ国語を学ぶのか』


村上慎一
1960年、名古屋市生まれ。1982年、名古屋大学教育学部教育学科卒業。大阪市立中学校、愛知県立西尾高等学校などの教諭を経て、現在、愛知県立岡崎高等学校教諭。国語教諭として現代文・古文・漢文を教えている



Q.私は過不足なく日本語を使用している。それなのに高校生にもなって国語という科目があるのは何故か?
A.よりよい人生、より豊かな生のために学ぶ

Q.評論文は何のために学ぶのか?
A.他者の主張を正確に理解し、自分の主張を持つため

Q.小説は何のために学ぶのか?
A.非現実の世界に浸る楽しみを学びつつ、一般的に「どう感じるか」を読み取るため。

Q.詩とは何か?
A.芸術

Q.随筆とは何か?
A.筆に随って書いた感情の表現

Q.日本語は難しいか?
A.言語の難度は、母国語との関連によって決まる。

Q.日本語にはどのような特徴があるのか?
A.文化や風土によって言語の特徴は異なる。日本語には季語が多く、敬語は階級社会から生まれた。

Q.小学生は英語を学んだ方がよいか?
A.多言語を操るピーターフランクルも高度な数学を思考するときには母国語を使う。相応の時間を母国語の学習に費やすべき。

Q.日本語は論理的ではないか?
A.論理的でない日本人は多いのかもしれない。

Q.古典を学ぶことに何の意味があるのか?
A.過去の母国を学ぶことは、自信のアイデンティティ形成に役立つ。

Q.英語の勉強と古文の勉強はどこが違うのか?
A.古文の方が現代日本語との共通点があって楽しい。