2012-06-16 農民画家 / ジャン・フランソワ・ミレー「落穂拾い」 美の巨人たち 2012年6月16日 放送 今週の芸術家 ・作者 フランソワ・ミレー(1882-1967) ・国籍 フランス ・職種 画家 フランス北西部ノルマンディー地方の農家の長男として誕生 画家を夢みてパリへ 妻カトリーヌとの駆け落ち、厳格なクリスチャンだった祖母ルイズに認められなかった 当初は神話や妖精、ヌードなどを題材に描いていた 「二月革命」によって王政が民衆に打倒されて以降、労働者階級に焦点をあてる 社会主義の台頭に怯えた富裕層からの批判 パリでコレラが流行、パリの南南東に広がる農村バルビゾンへ コローやルソーといったバルビゾン派と呼ばれる画家集団と出会う はっきりとした主役がいない、労働の環境や風景を抽象的に描く 農民画家と呼ばれる 今週の作品 ・作品 落ち穂拾い(1857) ・場所 オルセー美術館 旧約聖書「ルツ記」の一場面を描いたとも言われている 貧しい野良着姿の三人の農婦が腰をかがめ、大地に散らばった落ち穂を拾っている 刈り入れの時にこぼれた麦の穂は、貧しい孤児や未亡人が拾うことを"聖書によって"許されていた 三人の背後では、大勢の人が作業に追われている 社会主義の台頭に怯えた政府・富裕層からの批判、「貧困の三女神」「秩序を脅かす凶暴な野獣」… 三人の農婦は、祖母・母・妻の象徴ではないか?