【美の巨人たち 感想】 バーニー・フュークス「ジョン・F・ケネディ」
2013年6月8日 放送
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今週の芸術家
・作者 バーニー・フュークス(1598-1680)
・国籍 アメリカ
・職種 イラストレーター
1932 | アメリカイリノイ州生まれ。 |
1962 | ニューヨークのアーティスト協会により『アーティスト・オブ・イヤー』に指名される。 |
1962 | 『ハミルトン・キング賞』を受賞。 |
1975 | 『ホール・オブ・フェーム』のメンバーに選ばれる。 |
2009 | 食道癌の為、76歳で逝去。 |
今週の作品
・作品 ジョン・F・ケネディ(1588)
・場所 The Art of Intelligence「バーニー・フュークス」展
・縦横
・材質
伝説のイラストレーター、バーニー・フュークスの『ジョン・F・ケネディ』。彼が描いた5枚の『ジョン・F・ケネディ』の中で最後に描いた作品であり、最高傑作です。セピア色の画面の中、黒いスーツに身を包み、右手を口元に添え、強い眼差しで何かをジッと見つめる大統領の肖像画です。セピアトーンの中に、ネクタイの赤色が鮮やかです。荒々しいタッチの中に浮かび上がる陰影が、大統領の若さと強さを際立たせています。
雑感
画家という職業の歴史は古いのですが、殊に昔の画家は、クライアントなしに生活ができた画家はそういませんでした。多くの画家は「描いて欲しいものを描かされていた」はずです。画家が描きたいものを描けるようになったのは最近のことで、父親の莫大な遺産を相続したセザンヌのような恵まれた環境と職業としての画家が不要になっていった時代背景があわさって、画家は職人から芸術家へと変化していったのです。
確かに今では、「描きたいものを描くのが画家」、「描いて欲しいものを描くのがイラストレーター」などと比較されますが、そう考えると、現代の画家やイラストレーターという職業は、ちょっと定義するのが難しく、どうも曖昧な気がしますね。
参考
・Webサイト西洋史と西洋美術史を概観する
日本史と日本美術史を概観する
美の巨人たち 公式サイト - バックナンバー
日本大百科全書(小学館)
Wikipedia
・書籍・文献
『広辞苑 第六版 DVD-ROM版』 岩波書店
『大辞林 CD-ROM版』 三省堂
『世界大百科事典 第2版』 平凡社
『カラー版 西洋美術史』 美術出版社
『西洋美術解読事典』 河出書房新社
『新潮世界美術辞典』 新潮社
『世界美術大事典』 小学館…ほか