【美の巨人たち 感想】 ノーマン・ロックウェル「結婚許可証」


2013年2月9日 放送


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今週の芸術家


・作者 ノーマン・ロックウェル(1894-1978)
・国籍 アメリ
・職種 画家・イラストレータ


1894 1歳 アメリカニューヨークの上流家庭に生まれる
1912 18歳 イラストレーターとしての初仕事
1916 22歳 『サタデー・イーブニング・ポスト紙』の表紙に採用。
以後47年間書き続ける
1930 36歳 Mary Barstowと結婚
1931 37歳 第一子誕生
1933 39歳 第二子誕生
1936 42歳 第三死誕生
1939 45歳 一家でバーモント州に移住
1943 49歳 ボーイスカウトによりシルバーバッファロー賞を受賞
???? ?? 夫婦共に精神を病む。
1953 59歳 サナトリウムのあるストックブリッジに移住
1955 61歳 『結婚許可証』発表
1959 65歳 Mary Barstow死去
1961 67歳 Mary Mollyと結婚
1963 69歳 『サタデー・イーブニング・ポスト紙』最後のイラストを発表
1977 83歳 "メダル・オブ・フリーダム"を受賞
1978 84歳 ストックブリッジの自宅にて死去


今週の作品


・作品 結婚許可証(1955)
・場所 ノーマン・ロックウェル美術館
・縦横 縦116cm、横108cm
・材質 油彩


まるで映画のワンシーンです。
舞台は小さな町の役場。
入り口の窓には、結婚許可証と記されています。
カレンダーによれば、6月11日土曜日。
レモンイエローのハイヒールでつま先立ちしている女性は、同じレモンイエローのワンピース。
そっと腰に手を当てる男性は、優しく女性の手元を支えています。
もう就業時間は過ぎているのでしょう。国旗がたたまれています。
幸福な瞬間を迎えたジューン・ブライドのカップルと帰ろうとしていた役場の事務員。
だからなのでしょう、おじさんがご機嫌斜めなのは。
結婚という人生の最良の一場面と仕事という些細な日常が織りなす微笑ましいドラマです。

雑感

公式サイトの「取材風景」によると、ノーマン・ロックウェル美術館の敷地にアトリエが移築されているそうです。中は当時のままの状態が再現されており、本棚にはモネやルノアールエル・グレコなどの画集が並んでいるのだとか。

ロックウェルがどんな画家を好きだったのか気になります。


一方、ロックウェルを画家ではなく商業主義のイラストレーターだ、と揶揄する批評家もいるそうです。雑誌の表紙であることがいけないのでしょうか。そもそも、近代以降の画家の定義なんてイマイチわかりませんし、あってないようなものです。

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彼の作品を見るのは楽しく、多くの作品から「アメリカの市民生活」という大きなコンセプトを感じます。ロックウェルは、広告デザイナーかもしれませんが、画家でもあり芸術家なのだと、私は思います。