【美の巨人たち 感想】 ノーマン・ロックウェル「結婚許可証」
今週の芸術家
・作者 ノーマン・ロックウェル(1894-1978)
・国籍 アメリカ
・職種 画家・イラストレーター
1894 | 1歳 | アメリカニューヨークの上流家庭に生まれる |
1912 | 18歳 | イラストレーターとしての初仕事 |
1916 | 22歳 | 『サタデー・イーブニング・ポスト紙』の表紙に採用。 以後47年間書き続ける |
1930 | 36歳 | Mary Barstowと結婚 |
1931 | 37歳 | 第一子誕生 |
1933 | 39歳 | 第二子誕生 |
1936 | 42歳 | 第三死誕生 |
1939 | 45歳 | 一家でバーモント州に移住 |
1943 | 49歳 | ボーイスカウトによりシルバーバッファロー賞を受賞 |
???? | ?? | 夫婦共に精神を病む。 |
1953 | 59歳 | サナトリウムのあるストックブリッジに移住 |
1955 | 61歳 | 『結婚許可証』発表 |
1959 | 65歳 | Mary Barstow死去 |
1961 | 67歳 | Mary Mollyと結婚 |
1963 | 69歳 | 『サタデー・イーブニング・ポスト紙』最後のイラストを発表 |
1977 | 83歳 | "メダル・オブ・フリーダム"を受賞 |
1978 | 84歳 | ストックブリッジの自宅にて死去 |
今週の作品
・作品 結婚許可証(1955)
・場所 ノーマン・ロックウェル美術館
・縦横 縦116cm、横108cm
・材質 油彩
まるで映画のワンシーンです。
舞台は小さな町の役場。
入り口の窓には、結婚許可証と記されています。
カレンダーによれば、6月11日土曜日。
レモンイエローのハイヒールでつま先立ちしている女性は、同じレモンイエローのワンピース。
そっと腰に手を当てる男性は、優しく女性の手元を支えています。
もう就業時間は過ぎているのでしょう。国旗がたたまれています。
幸福な瞬間を迎えたジューン・ブライドのカップルと帰ろうとしていた役場の事務員。
だからなのでしょう、おじさんがご機嫌斜めなのは。
結婚という人生の最良の一場面と仕事という些細な日常が織りなす微笑ましいドラマです。
雑感
公式サイトの「取材風景」によると、ノーマン・ロックウェル美術館の敷地にアトリエが移築されているそうです。中は当時のままの状態が再現されており、本棚にはモネやルノアール、エル・グレコなどの画集が並んでいるのだとか。
ロックウェルがどんな画家を好きだったのか気になります。
一方、ロックウェルを画家ではなく商業主義のイラストレーターだ、と揶揄する批評家もいるそうです。雑誌の表紙であることがいけないのでしょうか。そもそも、近代以降の画家の定義なんてイマイチわかりませんし、あってないようなものです。
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彼の作品を見るのは楽しく、多くの作品から「アメリカの市民生活」という大きなコンセプトを感じます。ロックウェルは、広告デザイナーかもしれませんが、画家でもあり芸術家なのだと、私は思います。