勉強を生活の中の「システム」の一部として組み込む。/鎌田浩毅『一生モノの勉強法』


鎌田浩毅
1955年、東京生まれ。東京大学理学部卒業。通産省を経て97年より京都大学大学院人間・環境学研究科教授。理学博士。専門は火山学・科学コミュニケーション。テレビ・ラジオ・雑誌で科学を分かりやすく解説する。


はじめに

大人が勉強をするのは、「成功」という目的のため。
アウトプットを認められない勉強は、大人にとっては価値がない。
目的が成功であれば、自ずと「戦略」が必要になる。
戦略を立てて、生活の中の「システム」の一部として勉強をすることが大切。

必要な能力

1.コンテンツ能力(=知識)
2.ノウハウ能力(=戦略)
3.ロジカルシンキング能力(=プレゼン力)

何を勉強するか

・自分の得意なこと(≠好きなこと)
・投資価値が高いもの
・無理なら捨てる決断を。

道具

・机はダイニングテーブルなどが良い(=広いスペースを確保することが大切)
・硬く背もたれのある椅子(柔らかすぎる椅子は良くない)
・写真は撮影しながらインデックスをつくる。(=まず固有名詞入りの写真を撮るなど)

計画

・最終目標から逆算して計画を立てる。
・2割程度のバッファを確保する。
・システムを作ったら機械的に従う。
・スランプが来たら、システムを見直す。
・最初のハードルを低く設定する。(小さな満足がモチベーションを保つ)

時間

・単元ごとに制限時間を設ける。
・特にネットはダラダラ時間を消費しがちなので注意。
・事前の準備を怠らない、5分のロスも積もれば大きい。
・ゴールデンタイム(自分が最も集中できる時間)を死守する。
・酒席は人間関係を学ぶ大切な場だが、1〜2時間で十分。

睡眠

・睡眠時間を減らすことは記憶の仕組みからみても不合理。
・集中できない時には思い切って寝るのも戦略。
・就寝時間を過ぎて勉強をしない。
・同じ時間に起床し、日の光を浴びて体内時計をリセットする。
・寝溜めに効果はない。
・起床後に水を一杯飲むのが良い。

試験勉強

・試験勉強はドライに、ギリギリ合格でよい。
・出題者の意図を探ることから始める。
・試験の形式に正しく対応する。
・わかる問題から解く。(=時間配分を工夫する)

人間関係

・酒席は人間関係を学ぶ大切な場
・師匠をつくり、自分のロールモデルにする。
・師匠は見ず知らずの人、架空の人でもよい。
・自分の枠外の人との交流を大切にする。
・勉強仲間を作る。(=挫折を防ぐ)